高校生が株や投資を勉強！？ 今年4月より高校生の家庭科での「金融教育」が拡充され、ついに投資教育が始まる！ と報道をにぎわせている。その実情を知るべく、家庭科の教科書を手がける複数の出版社にリサーチ。金融庁の担当者に金融教育必修化の背景を聞いた。
次世代高校生の家計管理とトラブル対処の常識
成年年齢引き下げの民法改正が施行。今後は18歳になれば親の同意なしに様々な契約ができる。新しい教科書では消費者信用の仕組みや消費者トラブルの対処法などを拡充した。
【問題1】
次の2つの住宅ローンの返済方法について説明してください。
◇元利均等返済
◇元金均等返済
【問題2】
最初の元本のみに利子がつくことを単利、元本のみならず利子にも利子がつくことを複利といいます。次の条件からローンの返済額などを求めてください。
【問題3】
多重債務の解決方法の説明が成り立つように空欄を埋めてください。
自己破産は自分の財産を失う代わりに借金をなかったことにする制度のこと。要件を満たした場合に自己破産は認められるが、社会的信用を失うため、一定期間、クレジットカードをつくったり、ローンを組んだりすることができなくなる。返済条件の軽減を図る方法は、自己破産のほかに、弁護士などが間に入る「 」、簡易裁判所が間に入る「 」、裁判所を通じて債務を減らして残金を分割で支払う「 」などがある。
【問題4】
金融トラブルの相談窓口として正しいものをすべて選んでください。
解答と解説
【解答1】
◇元利均等返済
元金と利息を合わせた毎月の返済額が一定になる、現在主流の返済方法。初めは利息の割合が多く、返済が進むにつれて元金の割合が増えるのが特徴。同じ借入期間の場合、元金均等返済よりも総返済額が多くなる。繰り上げ返済で支払う利息を減らしたい。
◇元金均等返済
元金を返済期間で均等に割り、残高に応じて利息を計算し、毎月の返済額を算出する返済方法。元利均等返済に比べて総返済額を少なくすることができるが、返済開始当初の返済額が多く、借入時に必要な収入も高くなるなど、返済負担は大きい。
【解答2】
Q1
毎月2万5000円
Q2
4年2か月
Q3
毎月返済額 6054円
総返済額 36万3240円
Q4
毎月支払額 1万4640円（1回目）、1万4100円（2回目以降）
総支払額 33万8940円
【解答3】
自己破産は自分の財産を失う代わりに借金をなかったことにする制度です。要件を満たした場合に自己破産は認められますが、社会的信用を失うため、一定期間、クレジットカードをつくったり、ローンを組んだりすることができなくなります。自己破産のほかに、弁護士などが間に入る「任意整理」、簡易裁判所が間に入る「特定調停」、裁判所を通じて債務を減らし、残金を分割で支払う「個人再生」などの方法で返済条件の軽減を図ることができます。
【解答4】
「役所」と「消費生活センター」は消費生活全般の悩みに対応する。「消費者ホットライン」は、身近な消費生活相談窓口を案内する全国共通窓口。法律的な相談は「法テラス」へ。犯罪に巻き込まれた時は「警察」へ。犯罪には至っていないが、詐欺などの懸念がある場合は、警察相談専用電話を利用したい。
「金融ADR」は金融機関と顧客の金融商品・サービスのトラブル解決を目指す仕組みで、金融の専門家が仲立ちしてくれる。
取材・文／佐藤太志、渡辺和博
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