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Saturday, September 3, 2022

“AIが連想する”単語を当てる? 関連性が高いほど高得点 テトリス風の「単語消しゲーム」をプレイした - ITmedia NEWS

 「Experiments with Google」は、Googleが人工知能(AI)や拡張現実(AR)といった最新技術の可能性を示すために、実験的な応用例を紹介するショーケースだ。膨大なコンテンツを公開しており、その多くはスマートフォンやPCで試せる。

 この連載では、多種多様な応用例の中から興味深いものをピックアップ。実際に遊んだ体験レポートを通して、裏側にあるテクノロジーや、技術の活用方法とその目的を解説する。

 読者の皆さんも、ぜひ自分の手で試しながらその仕組みを学んでもらえたらうれしい。きっと、最新技術の魅力に気付くはずだ。

テトリス風のブロック消しゲーム「Semantris」

 連載18回目の今回は、英単語の書かれたブロックを消していくゲーム「Semantris」を取り上げる。

 Semantrisという名前は、言語における単語の持つ意味や概念を示す「semantic」(語義の)と、上から落ちて来るブロックを消していく昔懐かしいゲーム「Tetris」(テトリス)を組み合わせたもの。Tetris風の英単語ゲームなので、こう名付けられたのだろう。

 テトリスでブロックを消すには、さまざまな形のブロックをうまく組み合わせて、隙間ができないように積み上げていく。これに対しSemantrisでは、ブロックに書かれた単語を読み、その単語と関連性の高い別の単語を入力することでブロックを消せる。つまりパズル力(パズルりょく)と英語の語彙力が試されるわけだ。

 関連性が高いかどうかは、AIが判定する。高得点を獲得するには、“AIの考える”関連性の高い単語を入力する必要がある。

photo パズル力と英語の語彙力の両方が試される(出典:Google)

 Semantrisでプレイできるゲームは2種類ある。時間制限がなくじっくり取り組める「Blocks」と、素早く正解し続けないとタイムアップしてしまう「Arcade」だ。

 どちらもWebアプリなので、Webブラウザでアクセスすれば遊べる。ただしスマートフォンだと画面が小さくて見にくく、単語を素早く入力できないので、難易度が高くなるかもしれない。開発チームも、大きな画面と物理キーボードのあるPCのようなデバイスでのプレイを勧めている。

photo (左)ゲームは「Arcade」「Blocks」の2種類。(右)スマホではプレイしにくい

まずは時間制限のない「Blocks」で練習

 まず、時間に追われないBlocksをプレイしよう。スタートすると、上から色付きブロックが落ちてきて積み重なる。この状態でプレイヤーがやることは、いずれかのブロックに書いてある単語と関連性の高い、別の単語を入力することだ。時間制限はないので慌てなくていい。なお既にブロックに書いてある単語は入力できない。

photo 単語が書いてあるカラフルなブロックが積み重なっていく
photophoto (左)既にブロックに書いてある「rain」は入力できない。(右)「cloud」は入力できた

 入力した単語をAIが解析して、近い意味の単語が書いてあるブロックを自動で選択する。すると、そのブロックと隣接する同色のブロックがまとめて消えて得点になる。つまり同じ色のブロックが固まっているところを見つけて単語を入力すれば、高得点を狙える。また2色、3色といった複数の色で塗られたブロックを的中できると、該当する色のブロックをまとめて消せるので大量得点につながる。

photo (左)緑のブロックを一気に消す。(中、右)緑と赤のブロックを的中させて大量得点につなげた

 ブロックをうまく消せずに積み上がっていき、天井に達してしまうとゲームオーバーになる。このルールはテトリスと同じだ。長くゲームを続けて高い得点を得るには、ブロックの山が高くならないように狙うブロックを決めよう。

photo ブロックが上まで積み上がってゲームオーバーになってしまう
最初はチュートリアルを読みながらプレイした
2度目の挑戦。右側の山を崩せなかった

Arcadeは、時間内に積み上がった単語の山を崩すゲーム

 Arcadeは、縦1列に積み上げられた単語を崩していくゲームだ。単語の山の中に、1つだけ色の異なる単語(ここでは「ターゲット単語」と呼ぶ)があるので、それと関連する単語を入力する。

 入力した単語をAIが解析してターゲット単語との関連性を算出し、そのスコアに合わせて単語の山の順番が入れ替わる。そして特定の枠内(山の下から4単語分など)に入った単語のうち、ターゲット単語より上にある単語が消えるシステムだ。

 順番が変わる際、関連性が高いほどターゲット単語が山の下になる。つまりターゲット単語を低い位置へ移動できるほど、言い換えればターゲット単語と関連性の高い単語を入力できるほど、一度に多くの単語を消せる仕組みだ。逆にいえば、ターゲット言語が枠内に入らないと、いつまでも山を低くできない。山の高さが天井に達すると、ゲームオーバーになる。

photo ターゲット単語をできるだけ下にして、単語をたくさん消して山を崩していく

 何回か連続で消せると入力欄の上にあるメーターがたまっていき、ボーナスとして山が全て消える。山の高さが一気に低くなるため、これは大きい。

photophoto (左)ボーナスで山を全て消せる。(右)上まで積み上がるとゲームオーバーだ

 Arcadeの難しいところは、Blocksと違ってゆっくり考えていると山がどんどん高くなることだ。さらに、ゲームが進むほど単語の落ちてくる間隔が短くなり、山が高くなりやすい。しかも、ターゲット単語が複数になったり、ボーナス獲得に必要な消去回数が増えたりして、難易度が上がる。その分ゲーム性は高く、プレイしがいがある。

時間制限があって難易度が高いとプレイして分かった

Googleが使う機械学習アルゴリズムの処理をゲームで示す

 Semantrisは、機械学習アルゴリズムが自然言語をどのように処理するかを示す目的で、Googleが開発した。ここで使われている技術と同じものが、Googleのさまざまなサービスで活用されているそうだ。

 BlocksとArcadeは同じAIを使っていて、Googleの機械学習ツールキット「TensorFlow」で構築したものだ。インターネットでやりとりされた膨大な英文から単語やフレーズ、文章の関係を学習させて、ある単語や文章に続く確率の高い単語などを予測できるAIモデルにした。

 これを利用することで、Semantrisはプレイヤーの入力した単語と、出題した単語の関係性を判定している。AIが比較対象の関係性を内部でどう処理しているかについては、以前解説した「Visualizing High-Dimensional Space」の記事を参考にしてほしい。

 Semantrisは、こうしたAIの一側面を、ゲーム性の高い楽しいコンテンツとして見せている。Webアプリとして公開しただけでなく、アーケードゲーム風にしてイベントに出展したこともあるという。

 こうした体験を通じてAIに関心を持つと、AIの知識が増えて理解が深まり、AIの開発や実務への応用に発展していく可能性がある。

photophoto Semantrisをアーケードゲームにしてイベントに出展した際の様子

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