急速な米金融引き締めを受けたリセッション(景気後退)リスクの高まりを背景に、質の高い債券を保有する魅力が増すと、米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は指摘した。
PIMCOは4日のリポートで、最近の銀行破綻や資本コストの上昇で「特に米国で与信環境が著しく引き締まるとの見通しが強まりつつある。従って、より早期かつ深刻なリセッションのリスク」が高まると警告した。同社は約1兆7000億ドル(約224兆円)の資産を運用する。
PIMCOが年に3回公表するシクリカル見通しの同リポートでは、利上げ局面は終了に近いが、「さらなる引き締めがないというのは政策の正常化あるいは緩和とは異なる。それはインフレが目標水準に向かって下がることを要する可能性が高い」と論じた。
同社の北米エコノミストのティファニー・ワイルディング、グローバル債券担当最高投資責任者(CIO)のアンドルー・ボールズ両氏は同リポートで、現在の環境において「債券は分散化や資本保護という伝統的な性質を示しそうだ。一段と景気が悪化する場合は、価格が上昇する可能性がある」と記した。
債券は2022年に2桁台の下落に見舞われた後、今年は持ち直しており、ブルームバーグの米債券指数は年初来で3.4%上昇している。
米10年債利回りについては「3.25-4.25%付近のレンジ」内での取引になる見通しだとし、「リスクの高まりを踏まえれば、レンジは下方向にシフトする」可能性があると記述した。
原題: Pimco Says It Favors ‘Strong Bonds’ Amid Rising Recession Risks(抜粋)
ピムコ、質高い債券保有の魅力増すと指摘-景気後退リスクの高まりで - ブルームバーグ
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