新年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられ、現場から「在宅介護は崩壊する」などと反発が広がっている。基本報酬はなぜ引き下げられたのか。厚生労働省は理由を説明するが反論も出ている。
訪問介護の基本報酬はなぜ引き下げられたのか。厚生労働省は二つの理由をあげる。
一つは、訪問介護では介護職員の賃上げにあてる「処遇改善加算」を手厚く配分した、との理由だ。
今回の改定では賃上げのため報酬全体を1・59%増という、例年を大きく上回る水準で引き上げた。このうち介護職員の賃上げに0・98%分、残る0・61%分は「介護職員以外」の処遇改善に配分。介護職員の賃上げは報酬への「加算」で対応すると決めた。
加算は、職場環境の改善や研修の実施などの要件を満たせば基本報酬に上乗せできる制度。今回、全職員のうち介護職員の割合が高い訪問介護では、全サービスで最も高い加算率(最大24・5%)を設定。一方で、基本報酬の増減を左右する0・61%分の「お金」は、事務職など介護職以外が多いサービスに手厚く配分された。
厚労省「全てをセットで考えてほしい」
もう一つが、訪問介護の収支…
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