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Monday, March 18, 2024

カフェインはどこからが取り過ぎ? リスクが高いのはどんな人? - ナショナル ジオグラフィック日本版

カフェインはどのくらい摂取すると取り過ぎになるのだろうか。(REBECCA HALE, NATIONAL GEOGRAPHIC)

カフェインはどのくらい摂取すると取り過ぎになるのだろうか。(REBECCA HALE, NATIONAL GEOGRAPHIC)

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 北米のとあるベーカリーカフェチェーンは現在、大量のカフェインを含むドリンクを飲んだことで家族が死亡したと主張する人々から、2件の訴訟を起こされている。

 問題となっているドリンクは、糖類で甘みを加えたうえ、カフェインをたっぷりと入れたレモネードだ。訴えによれば、21歳の女性と46歳の男性が、約890ミリリットル入りのコップからそのドリンクを飲んだあと、まもなく死亡したとされる。どちらのケースも、正確にどの程度の量のカフェインが摂取されたのかは定かではないが、氷なしで作られていた場合、最大390ミリグラムのカフェインと124グラムの糖類が含まれていた可能性があるという。

 ちなみに、200ミリリットルのコーヒー(浸出液)に含まれるカフェインは約120ミリグラム、エナジードリンク「レッドブル」1缶(容量250ミリリットル)には80ミリグラムだ。

 こうした事例で摂取量が問題となるのは、カフェインによる影響が人によって異なるためだ。栄養科学者がカフェインの過剰摂取に対してたびたび警告を発する理由のひとつはそこにある。

「非常に大量に摂取すると、カフェインは体に有害な影響を及ぼすだけでなく、命を奪うことさえあります」と、米ジョージ・ワシントン大学ミルケン公衆衛生大学院の運動・栄養科学教授ロブ・バン・ダム氏は言う。

 しかし、食品や飲料に含まれるカフェインの量を把握するのは必ずしも簡単ではない。問題のひとつは、コーヒーや茶、チョコレートなどに自然に含まれているカフェインは、添加物とはみなされないことだ。

 そうした食品の場合、「ラベルに“カフェイン”とは記載されません」と、米ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の予防医学准教授マリリン・コーネリス氏は言う。米国や日本では、カフェインが添加された場合のみ、成分としての表示が義務付けられているが、それでも飲料などにカフェインの含有量を正確に表示するよう義務付ける規制はない。(参考記事:「「チョコは体にいい」は本当か、“カカオ分”は当てにならない」

カフェインとは何か

 コーヒー、茶、カカオ、ガラナなどの葉、茎、果実、豆に由来するカフェインは、世界で最も広く使われている中枢神経刺激薬だ。われわれが口にする多くの植物や食品に自然に含まれており、またコーラやエナジードリンクといった多くの製品に添加されている。

 カフェインは、血流にすばやく吸収されて中枢神経系に影響を及ぼす。この作用の一部は、脳と体のあちこちにある「アデノシン受容体」と結合することによって起こる。

 アデノシンは、睡眠を促し、体に疲労を感じさせるのに重要な役割を担う物質だ。覚醒中にアデノシンの量が増えると、受容体と結びついて眠気を引き起こす。(参考記事:「眠気の正体」

 しかし、カフェインの分子はアデノシンとよく似ているため、カフェインが代わりに受容体に結合し、アデノシンの結合が妨げられる。そのせいで眠気の信号が出されなければ、人は目を覚ました状態を保つことになる。そして、細胞の活動が速められ、また、アデノシンが作用すれば抑えられるはずの細胞の活動が抑えられなくなる。

 カフェインはまた、興奮やストレス、不安といった感情に関係するホルモンであるコルチゾールとアドレナリンの血中濃度を上昇させることが、研究で示されている。

次ページ:カフェインの利点と欠点、摂取量の上限は?

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