総務省行政評価局は30日、遮断機と警報機がなく、事故の頻度が高い第4種踏切の解消を促進するよう国土交通省に勧告した。全国に約2600か所あり、国と鉄道事業者が廃止や遮断機・警報機のある第1種踏切への切り替えを進めているが、減少ペースが年間50か所前後にとどまっており、国交省の積極的な関与を求めた。
第4種踏切は、現在の鉄道の安全基準を満たしておらず、100か所あたりの事故件数(2019年)は第1種踏切の0・59件に対し、第4種踏切は1・02件と倍近い。1987年以降、新設は認められず、60年前の6万か所から2019年度末には2603か所と大幅に減少したが、近年は減少ペースが落ちている。
総務省行政評価局が20年4月~21年11月、JRや地方鉄道など20事業者を抽出して調査したところ、19年度までの20年間に解消された第4種踏切は626か所で、特に地方鉄道は思うように進んでいなかった。
廃止・切り替えが進まない理由は、利便性が損なわれる地域住民との合意形成の難しさ、第1種化に必要な1か所あたり約1000万円の費用を挙げる事業者が多かった。一方で、利用者が少なく、住民が反対していないのに廃止の検討がなされずに存続しているケースがあること、農道や林道と交差する第4種踏切を解消するための補助制度の利用実績が16年度以降で1件にとどまるといった実態も確認された。
行政評価局は勧告で、国や事業者、住民らでつくる「地方踏切道改良協議会」を活用して合意形成を促すこと、補助制度の利用を鉄道事業者任せとせず、国交省が利用を促す措置を講じることを求めた。
斉藤国交相は30日の閣議後記者会見で「踏切は生活に密着したもの。安全確保に向けた取り組みを一層進めたい」と述べた。
「事故頻度高い踏切」全国2600か所、減少ペースは年50か所前後…国交省に積極関与求める - 読売新聞
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