「帰省や旅行ではリスク高い活動控えて」 専門家組織、マスクや手洗いの徹底呼び掛け＜新型コロナ＞ - 東京新聞

　厚生労働省に助言する専門家組織「アドバイザリーボード」は28日の会合で、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」について、「日本でも地域で一定規模の伝播（でんぱ）が起きている可能性があり、今後感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況にある」と分析した。

　座長の脇田隆字（たかじ）・国立感染症研究所長は、感染者は全員が無症状か軽症にとどまっているとしたものの、「海外でも重症化しにくいという情報があるが、感染者の絶対数が増えれば重症者も入院者も増える。医療提供体制が逼迫（ひっぱく）する可能性への留意が必要だ」と危機感をにじませた。

　年末年始に向け、「普段会わない人々との交流が増える。帰省や旅行の際は感染リスクの高い活動を控えて」と要望。マスク着用や手洗いなど基本的な感染対策の徹底を呼び掛けた。

　この日、専門家組織メンバーの有志らは、年末年始に感染が急拡大した場合に備え、都道府県知事の判断でオミクロン株感染者に柔軟に対応できるよう政府に提案した。提案は6項目で「従来株と同様、重症度に応じて入院を判断する」「地域の医療資源の状況により、デルタ株感染者との同室入院も可能とする」などとした。（原田遼、沢田千秋）

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