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Friday, July 8, 2022

ブレーキパッドは高いのが一番ではない…これだけの理由[カスタムHOW TO] - レスポンス

とりあえず迷ったら高いものを買ったほうが良いのは大抵のパーツに当てはまること。しかし、ブレーキパッドだけは当てはまらない。安いストリートモデルのほうが遥かに幸せになれることもある奥が深いパーツなのだ。

◆ビックリするほど問題が起きるのがパッド

エンジンオイル交換のときに、ちょっと高いサーキット対応オイルと、ストリート用の安いオイルがあったとしたら、ちょっと奮発して高いオイルにしようかな、こっち方がエンジンにも良さそうだし、と思う人も多いかと思う。同じようにブレーキパッドを選ぶときも、ちょっとだけ高いスポーツパッドと、安いストリートパッドがあって、めったにサーキットは行かないけれど、今回は奮発して高い方にしちゃおう、なんてこともあるだろう。

しかし、実はそれがオススメできないのが、ブレーキパッド選びなのだ。ブレーキパッドでとにかく大事なのはローターの温度。摩擦して発熱したときに、ローターが何度になるかで、そこに接するブレーキパッドも適したものが変わる。ブレーキパッドは金属や樹脂などを固めて焼いたもの。高温に対応したパッドは金属成分、とくに鉄分が多い。街乗りメインのパッドや純正パッドでは、鉄分はほとんど入っていなくて、ほぼ樹脂と柔らかい金属が少し入れられている。そして、サーキット向けの金属が多いパッドの方が値段は高い。そうなるとついつい、ちょっと高いパッドを買いたくなってしまうが、この金属成分の多いパッドを街乗りで使うと良いことがまったくないのである。

まず、異常に減る。サーキットではあまり減らないパッドが、適正温度にならないとヤスリで削っているかのごとく減っていってしまう。その相手であるローターもこれまためちゃくちゃ減る。数百キロ街乗りしただけでレコード盤のようにガタガタになってしまう。夜の峠道を走っているとブレーキを踏むたびになぜか周囲がちょっと明るくなるのである。後続が来ているわけでもなく、なぜか両サイドがちょっと明るくなるのである。

原因は温度のあっていないパッドを使ったことで、ブレーキを踏むたびにローターから火花が飛び散っていたから。たしかにグラインダーやサンダーで金属を削るときには激しく火花が飛び散るのが普通。パッドとローターも金属同士が接触するならそうなってもおかしくないのである。でもそうなるとすぐに減ってしまうので、パッドには被膜を作るような成分が配合されている。カーボンなどを混ぜることで、ローターにパッドの成分をこすりつけて、それが皮膜を形成し、その被膜とパッドが摩擦するから火花は飛び散らない。ローターもパッドも何千キロも使えるのである。

その被膜も温度に依存しやすい。ある程度の温度になるとパッドの成分は溶け出してローターに皮膜を作るが、温度が下がってくるとまたすぐに皮膜はなくなってしまう。また、温度が上がってくると被膜を形成するということを走るたびに繰り返している。

◆街乗りでは0~200度くらいがメインの温度域

ブレーキパッドの選びの際は摩材よりも対応温度を重視してもらいたい。摩材は街乗りならノンアスやオーガニック素材なら問題ないが、たまのサーキット走行と普段乗りを兼ねようとするとロースチールやセミメタリック材などになる。金属分でいうと一般的にはロースチールが少なく、セミメタの方が金属が多いが、それはメーカーによっても異なる。A社のロースチールはほぼノンアス材のような摩材だが、B社のロースチールはA社のセミメタ並みの金属含有量だったりする。その表記には統一ルールがないので、成分だけでなく対応温度も確認してもらいたい。

街乗りを頻繁にするなら0度から対応とか、日常温度から対応のパッドを選びたい。スポーツパッドだと50度以上とか100度以上の表記が多い。ブレーキなんてちょっと走るとすぐに熱くなっているので、100度以上対応のモデルで大丈夫と思いたいが、街乗りではなかなか50度にもならない。意外と普段乗りの温度は低く、対応温度に達しないと異常摩耗でダストが増えたり、鳴きがひどかったりということも起こる。

街乗りメインなら値段ではなく、できるだけ対応温度の低いブレーキパッドをチョイスしたほうがはるかに扱いやすいのだ。



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