吹き飛ばされたトタン屋根の撤去作業に当たる消防隊員ら＝６日午前１０時２３分、松江市浜乃木４丁目
大型で強い勢力の台風１１号が６日、山陰両県に最接近した。高潮が発生し、隠岐の島町などで計１２棟が床下浸水し、倒木の影響で両県で延べ１万３５００戸に及ぶ停電が発生。学校の休校やＪＲの運休で生活にも影響が出た。鳥取県智頭町では７０代男性が風にあおられて転倒し、頭にけがを負った。（取材班）
松江、鳥取両地方気象台によると、台風の接近と満潮の時刻が重なった影響で、隠岐の島町西郷が速報値で過去最高潮位の８５センチを記録。浜田でも１１６センチとなった。
最大瞬間風速は、隠岐空港３５メートル▽鳥取市吉方３４メートル▽浜田市大辻町２７・８メートル▽倉吉市大塚２５・４メートル▽出雲市芦渡町２５・２メートルーなどで、両県内の６地点で９月の観測史上最大を記録。各地で倒木や屋根が飛ばされる被害が相次ぎ、消防隊員らが対応に追われた。鳥取県大山町大山の大山参道では木が根元から折れ、参道をふさいだ。近くのとやま旅館の兜山真宏社長は「バキバキと大きな音がした。人や建物に被害がなくてよかった」と話した。
浜田市や松江市の一部は高潮で冠水。家の前まで水が来た浜田市瀬戸ケ島町、漁師前田実さん（８５）は「明け方は潮が高くなる南風が強く吹き続いた。これほど高い波を見たのは今年初めて」と話した。
臨時休校や計画運休も相次ぎ、島根では県立学校や小中学校など計３６８校・園、鳥取県では県立学校や小中学校など計１７０校が休校した。
ＪＲは始発から山陰線や伯備線などで始発から特急など計１９８本が運休し計２万１９００人に影響。空の便も両県の５空港で計２９便が運休するなどした。
両地方気象台は７日朝にかけて、引き続き高潮に注意が必要だとしている。
「これほど高い波を見たのは」浜田で潮位116センチ 高潮で床下浸水 台風11号 - 山陰中央新報社
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