ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や円安などの影響で、飼料や燃料などの価格が高騰しています。農家の現場はどうなっているのか、取材しました。
津市で農業法人を営む前川和彦さん。
値上がりが経営を大きく圧迫していると言います。
「経費がかさむだけですので」
前川さんの法人ではコンバインや穀物の乾燥機など、たくさんの農機具を所有しています。
法人では、近隣の耕作放棄地を借りて、およそ120ヘクタールの農地でコメや大豆を育てています。燃料のうち最も消費量が多いのが、コンバインやトラックなど25台分の軽油です。
ことし4月の時点でおととしと比べて1リットルあたりおよそ40円値上がり。年間50万円ほど増える見通しです。
収穫したもみは乾燥機に入れます。灯油を使いますが、ことしは雨の日が多くもみが湿気を含んでいるため、時間がかかり、灯油代もかさむといいます。
経費を抑える工夫は欠かせません。法人では自前の小型のタンクローリーを使って、軽油を運んでいます。小売店からの配達料を節約するためです。
「入れに来てもらうと配達料がかかるのでこれやったら自分らで入れに行けるで/そうやってちょっとでも安い方、安い方に」
原料の大半を輸入に頼る肥料も価格が高騰しています。国のまとめによると、ことし6月の肥料価格は、去年の同じ時期と比べて、26.7%上がっています。前川さんは価格の上昇に備えて去年多めに肥料を購入。
大切に使ってきましたが、今年中にはほとんど使い切ってしまうといいます。
「次買うときに、大打撃だと思います」
「もみ殻を散布して肥料にしたり、肥をちょっとでも減らそうかなと」
農家への逆風は経費が増えることだけではありません。新型コロナウイルスの影響で外食産業が低迷。需要の低下に伴って、コメの買い取り価格は下落が続いています。玄米60キロあたりの取引価格は、コロナ禍の前と比べて3000円余り下がりました。経費がかさむとともに、収入も減ってしまっているのです。
農家の苦境を受けて津市では、肥料の購入に関する支援金を支給すると決定。ことし1年間に購入した肥料の金額に応じて、1軒あたり5000円から最大10万円を支給するとしています。
「農家さんが津市でもしっかり頑張って頂いてここを乗り切って頂きたい。離農されたりすることのないよう少しでもサポートになれば」
支援を活用しつつ、前川さんはなんとか今の状況を乗り切ろうとしています。
「助成金が出てくれるとうちらも購入もできるんで、助かります/厳しいですので厳しいなりにその状況を見極めながら、作業していかないといけないと思っています」
肥料も燃料も高い!物価高で苦境の農家は…|NHK 三重県のニュース - nhk.or.jp
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