出雲市消防本部が年末にかけてのたき火や野焼きを警戒している。出雲市はかねて野焼きによる火災が多く、今年は10月末現在で26件と、過去5年の年間発生数を大きく上回った。事態を重くみる同消防本部はこのほど、独自で「火災注意報」を制定。乾燥したり風が強い日などに発令し、注意を呼びかける。
同消防本部によると、管内での野焼きによる火災件数は、2013年から県内8地域の消防の中で9年連続1位。22年は火災45件のうち、野焼きは半数を超える26件に及ぶ。人口が同規模が近い松江(13件)や農業が盛んな雲南(11件)などに比べて突出して多い。
出雲市消防本部予防課によると、広大な平野がある出雲市は農家が多く、風が強い上に刈った草を焼く習慣が根付いているといい、高橋宏和予防課長は「出雲は(野焼き火災)のリスクが高い場所と認識している」と話す。雨が少なく草木が乾燥し、風が強い日には、わずかな火でも一気に燃え広がる恐れがあると危険性を指摘する。
野焼きを巡っては廃棄物処理法で原則禁止となっている。農業、林業を営むための行為などは例外で認められるが消防署への届け出が必要。ただ今年発生した野焼きによる火災のうち、届け出が未提出だったのは8割近くに及ぶ。
火災の高止まりに歯止めをかけるため、同消防本部は屋外での火遊びやたき火などを制限ができる「火災注意報」を制定。乾燥や強風など気象状況を見て発令し火災予防につなげる。
高橋予防課長は「野焼きする前に届け出や消火準備を徹底し、危険性も認識してほしい」と呼びかけた。
(佐野翔一)
【朝刊先読み!】「出雲は野焼き火災のリスク高い」 消防が「火災注意報」制定、注意呼びかけ - 山陰中央新報社
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