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Wednesday, December 7, 2022

EVはやっぱり高い?【2022年12月】日本で買える電気自動車の価格を整理してみた - EVsmartブログ

※冒頭写真はジャパンEVラリー白馬2022での最新EV試乗会の様子。

500万〜800万円が激戦区

EVってどうなんだ? というテーマで講演を依頼されたこともあり、今、日本国内で購入可能な電気自動車(BEV)の新車価格を、価格帯を横軸にしたグラフに改めて整理してみました。

グレードによって幅がある車種は最低価格から最高価格までの帯にして、価格の幅がない、もしくは少ない車種については、1cm角(作成都合)の正方形をプロットしています。車種の並び順については、発売年月が早いものからプロットしていったので、順不同です。

まず、一目瞭然なのが「500万円〜800万円」あたりの価格帯に多くの車種が集中していることでしょう。

この価格帯の中心になっているのが、バッテリー容量が60〜90kWhあたりで、普通に走って300km以上の航続距離をもつ高性能EVです。新車価格500万円以上のマイカーを購入するのは、経済的に余裕がある方々といえるでしょうし、おしなべて「EVは高級車」という現状であることがわかります。

ヒョンデ IONIQ 5のお買い得感

具体的な車種(価格はすべて税込です)を挙げながら、ポイントを考察していきましょう。

まず、「500万円」の線上にあって際立っているのが、ヒョンデ IONIQ 5のコストパフォーマンスの高さです。バッテリー容量58kWhのベースモデルで479万円。72.6kWhのモデルは519万円〜589万円で、AWDの最上位モデルでも600万円を切っています。

71.4kWhのトヨタ bZ4Xやスバル ソルテラはざっくり100万円ほど上の価格帯にあり、66kWh〜91kWhの日産アリアはさらに上、ボルボ C40 Rechargeやアウディ Q4 e-tron、テスラ モデルYなどと競合する高級車となっています。

BYD ATTO3の衝撃

さらに刮目すべきなのが、12月5日に価格が発表されたばかりのBYD ATTO3です。58.56kWhで440万円という価格は、グラフ上の位置からしてもグッと庶民の選択肢に近づいてきたと感じます。

コストパフォーマンスとして競合といえるのは40〜60kWhの日産 リーフとe+に見えますが、先日の記事でも言及したように、現在、リーフは値上げを見据えて受注停止中。もうすぐ発表される予定の新価格はグッと右(高額方向)にズレそうです。さらに、ATTO3は先進運転支援システムや電動パワーシートなどがフル装備でこの価格。リーフの場合、電動シートの設定はなく、プロパイロットなどの先進運転支援のオプションを選ぶとさらに高額になってしまいます。

日産サクラが売れる理由

私自身、マイカーとして購入を検討できるのは「200〜400万円」あたりが現実的なところです。今は、かなりの額のCEV補助金が活用できる(来年度にも期待!)ので、IONIQ 5くらいまでかな、といった感じでしょうか。

こうしてみると、200万台後半にプロットした日産 サクラ、三菱 eKクロスEVが販売好調な理由も一目瞭然。最新の「魅力的なEVが購入可能な価格帯で手に入るから」であると解釈することができるでしょう。

商用EVベンチャーのHW ELECTROが発売したELEMOやELEMO-Kは、やや高めにプロットされていますが、ビジネスにEVを導入したいというニーズに応える付加価値と理解して、応援したいと思っています。

「300万円台で300km」の新型EVを!

800万円〜1000万円オーバーのエリアには、ポルシェやメルセデス・ベンツ、アウディ、BMWなど欧州メーカーの超高級EVがズラリと並んでいます。EVシフトに積極的に取り組む欧州メーカーは「高級車からのEVシフトを展開しているところ」と評することができます。

とはいえ、現在の欧州EV市場では、300万円台(欧州では)から購入できるFiat 500eや、国の補助金を活用すると200万円を切るダチア スプリングといった大衆車EVも販売ランキングの上位に名を連ねています。100万円以下で買える宏光MINI EVが販売台数トップを記録した中国では、さらに多彩な大衆車EVの選択肢が並んでいます。つまり、100〜400万円といった、より幅広い人たちが現実的に購入を検討できる価格帯に、まだまだ車種の選択肢が少なすぎるのが日本の不幸。EVシフトがなかなか進まない最大の要因と考えることができるのです。

来年発売が予定されているBYD DOLPHIN は、300万円台で300kmの壁を破るのではと予想しています。

昨日の記事で、ATTO3の価格について「400万円で400kmの衝撃的コストパフォーマンス」と紹介しました。日本でEV普及を進め、日本の自動車メーカーが世界でシェアを失うことなく繁栄し続けるためにも、「300万円台で300km」を実現する、魅力的な新型EVを発売してくれることを渇望しています。

(文/寄本 好則)

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