- スーダンの国立公衆衛生研究所には、はしか、ポリオ、コレラなど、さまざまな致命的な病気のサンプルが保管されている
ジュネーブ:世界保健機関(WHO)は25日、紛争で荒廃するスーダンにおいて、ポリオやはしかなどの病原体のサンプルを保管している国立公衆衛生研究所を戦闘員が占拠し、「極めて非常に危険な」状況だと発表した。
WHOのスーダン代表であるニマ・サイード・アビッド氏は、戦闘員は「国立公衆衛生研究所から技術者全員を追い出し(中略)研究所は軍事拠点として戦闘当事者の一方の支配下に置かれています」と述べた。
しかし、どちらの紛争当事者が国立公衆衛生研究所を占拠したかについては言及しなかった。
アビッド氏によると、スーダンでの10日間の市街戦の末に、米国の仲介で対立するスーダンの2人の将軍が合意した72時間の停戦が正式に始まる前日の24日、ハルツームにある国立公衆衛生研究所の所長から電話を受けたということだ。
「国立公衆衛生研究所の占拠には、大きなバイオハザード(生物災害)リスクがあります」とアビッド氏は訴えた。
そして、同研究所には、はしか、ポリオ、コレラなど、さまざまな致命的な病気のいわゆる分離株(サンプル)が保管されていることを指摘した。
同研究所の所長は、「枯渇しつつある血液バッグの在庫が電力不足で腐敗する危険性がある」とも警鐘を鳴らしていた、とアビッド氏は明らかにした。
「化学物質の危険性に加え、発電機が機能していないため、バイオハザードのリスクも非常に高い」とアビッド氏は訴えた。
WHOはまた、戦闘中に14件の医療機関への攻撃を確認し、8人が死亡、2人が負傷したと発表した。
スーダンでの戦闘では、国軍司令官のアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍に忠実な部隊と、そのアル・ブルハン将軍の元副官で、現在、即応支援部隊(RSF)を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ将軍の部隊とが対立している。
スーダンの保健省は、これまでの死者数を459人、負傷者数を4072人と見積もっていると、25日にWHOが発表したが、その数は確認できていないとも付け加えた。
一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、最大27万人がスーダンを離れ、隣国のチャドや南スーダンに避難する可能性があるとの見方を示した。
UNHCRのチャド代表であるローラ・ロ・カストロ氏は、10日前に戦闘が始まって以来、約2万人の難民がチャドに到着したと述べた。
ジュネーブでビデオ通話を通じてカストロ氏が記者団に語ったところによると、UNHCRは「最悪のシナリオでは」最大10万人の難民を見込んでいるという。
一方、UNHCRの南スーダン代表であるマリー・ヘレネ・ヴェルニー氏は、戦闘が始まって以来、スーダンに住む80万人以上の南スーダン難民のうち約4千人が帰還したと述べた。
今後について、ヴェルニー氏は記者団に対し、「最も可能性の高いシナリオは、12万5千人の南スーダン難民が南スーダンに帰還することです」と語っている。
UNHCRはさらに、最大4万5千人のスーダン人が難民として南スーダンに避難すると見込んでいると語った。
AFP
スーダンで戦闘員が研究所を占拠、「高いバイオハザードリスク」:WHO - ARAB NEWS
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