スバルが2022年12月に発表したクロストレック。23年4月にドライブしてみて、完成度が高いうえに価格競争力が高いのに、私は感心した。
クロストレックとは、これまでは海外(北米)名。日本ではXVの名前で売られていたクロスオーバーモデルだ。22年12月のモデルチェンジで、名称が統一された。

どこがお買い得かというと、いろんな意味で性能がよくて、しかも、価格設定は200万円台から。日本車も輸入車も値上がりが続くなか、もう、驚異的といってもいいコストパフォーマンスだ。
4月20日に発表された新型インプレッサと基本プラットフォーム共用で、クロストレックは、バンパーやフェンダーまわりにクラディングとよばれる黒い合成樹脂のパーツを貼り付けてある。
インプレッサと比較すると、2670ミリのホイールベースは同一で、ボディ全長のほぼおなじ。ただし、見かけだけでなく、じっさいに車高が2車はちがう。

最低地上高は、インプレッサが135ミリ(「e-BOXER」)であるのに対して、クロストレックは200ミリ。全高も、インプレッサは1450から1515ミリで、クロストレックは1575ミリ。
スバルによると、クロストレックのほうが、SUV人気が続くマーケットでの健闘がより期待できるんだそうだ。
たしかに、おおづかみのシルエットもプロポーションもいいし、細部までていねいにデザインされている。八角形のモチーフを使ったグリルも大胆で若々しい。

デザインに加えて、先述のとおり、走りの性能がかなりよい。e-BOXER(イーボクサー)とスバルが呼ぶ、マイルドハイブリッド化された2リッター水平対向エンジンは力強い。
走りのよさの追求は、エンジンにとどまらない。ボディの補強、サスペンションシステムの取り付けの工夫、あたらしいステアリングシステム、さらに変速機のプログラム、といったぐあい。

ドライブしていると、自分の感覚に寄り添ってくれているように感じられる。気持よく動くし、加速時にかったるさは感じられない。そして、静かで、乗り心地もよい。
スバルの開発陣はそこを狙って、ボディをはじめとする各部の剛性や、よじれやしなりの特性を見直したうえ、さきのステアリンリグや変速機の制御も詰めたんだそう。

室内も、ぜいたくな素材は使っていないけれど、安っぽさは感じられないし、前後席とも空間的な余裕がある。スバルは若者をメインターゲットなどとも言うが、どんなひとも楽しめる。
価格は、ベーシックモデルといえる前輪駆動「Touring」が266万2000円、インフォテイメントシステムなど装備がおごられた「Limited」は306万9000円。

AWD(全輪駆動)は、「Touring」が288万2000円、「Limited」が328万9000円。安い、と言い切っては語弊があるけれど、この内容でこの価格はうれしい、と思った。
写真=スバル提供
【スペックス】
車名 Subaru Crosstrek AWD
全長×全幅×全高 4480×1800×1575mm
ホイールベース 2670mm
車重 1590kg
1995cc 水平対向4気筒+電気モーター(マイルドハイブリッド) 全輪駆動
最高出力 107kW@6000rpm
最大トルク 188Nm@4000rpm(+65Nmモーター)
変速機 無段変速(マニュアルモード付き)
燃費 15.8km/l(WLTC)
価格 288万2000円〜
スバル「クロストレック」に試乗 高い完成度とコスパの良さを実感 - 朝日新聞デジタル
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