■自ら志した俳優業 辞めたいと思ったことは一度もない
小学生のころからテレビドラマや映画に出演し、俳優歴は15周年目前だという桜田。いわゆる“子役”という立ち位置で仕事をスタートしたが、きっかけは「母親と一緒にお昼のサスペンスドラマを観ていて、自分も出てみたいと思った」と能動的に演技に向き合い始めたことを明かす。「子役と言われることもありましたが、当時担当してくださっていたマネージャーさんが『ひよりちゃんは女優さんだよ』と言ってくれていたこともあり、子役とは思ってなかったですね。自分の中でも“俳優”という意識が大きかったです」と語る。
芝居を始めたときから「仕事」という意識が強かった。「本当に大変なこともたくさんありましたが、小さいころからお芝居を仕事にしたい思いがあったので、辞めたいと思ったことは一度もないです」。
“子役”から“俳優”へと呼ばれ方が移ろうタイミングで壁にぶち当たったという体験談を聞くことが多い。しかし桜田は「同じ土俵に立ったらキャリアや年齢というのは関係ないんだと思って取り組んでいました。常にプロフェッショナルな方々に囲まれていたので、対等に接してくれた方ばかりでしたし、いたずらして遊んだとか、子どもっぽい思い出はないですね」と笑う。
■作品が終わって時間が経つと生まれる後悔は“成長の証”
10代前半から緊張感を持って作品に取り組んだ。現場では「常に100パーセントが出せるように」と全力投球。しかし、作品が完成すると、どうしても「こうしておけば良かった」と後悔が湧き上がってくるという。
「特に映画は、撮影が終わって完成するまで、1年とか時間がかかることがほとんどで。現場ではその時のベストを尽くすのですが、完成した作品の中に生きる自分を観ると、どうしても『もっとこうすれば良かった』って思ってしまう。ドラマは撮影からオンエアまで時間がない場合が多いですが、それでも作品を観ると『もっとできたんじゃないか』と後悔することがあります」。
撮影が終わった瞬間は「出し切った」と思っても、時間が経つと芽生える悔しさ。しかしそれこそが桜田の原動力になっている。「時間が経ってそう思うということは、そこから少しでも成長している証なのかなと。だからこの悔しさが残っていた方がいい。やっぱり次につなげたいじゃないですか」と未来を見つめる。
役へのアプローチ方法については「とにかく演じる役の一番の理解者になること」だという。「ありがたいことにいろいろな役をやらせていただいていて、中にはまったく理解できないような行動を起こすキャラクターもいます。たとえば犯罪者の役だったとしても、その行動に至るまでの動機や気持ちの中には理解できることがあるかもしれない。それを考え続けることで、私がその役の理解者になりたいと思うんです」。
■いろいろな選択肢を持っている大人になりたい
もうひとつ、桜田が心掛けているのが“選択肢を広く持つこと”。「素晴らしい先輩や尊敬する方々がたくさんいます。みなさんからとても素敵な言葉や考えを聞くことがあるのですが、誰かひとりの意見に強く影響されるのではなく、いいなと思ったことを、少しずつでもいいのでなるべく多く取り入れるようしています。そうすることで、いろいろな角度から物事を観ることができて、選択肢が増える気がするんです」。さらに「目の前の壁に当たったとき、ひとつの考えに固執してしまうと、ドツボにはまってしまう」と述べ「いろいろな選択肢を持っている大人になりたい。縛られず柔軟に。それでいてしっかり自分の考えも持てる人」と理想の人物像に思いを馳せる。
昨年12月に20歳を迎え、1年近くが経過した。「お酒を飲むことができるようになったくらいで、あまり変化はないですね。すぐに顔が赤くなってしまうので、めったに飲まないですし(笑)。気分転換は、家で飼っているワンちゃんですね。毎日家に帰ると『おかえり!』って走って迎えてくれるんです」と笑う。
作品が途切れることなく続く現状、ゆっくりする時間もないのかもしれない。「でも楽しいんですよ」と目を輝かせると「これまでの芸能生活のなかで、次の仕事が決まっていないという時期も経験しています。忙しいけれど、どんどん仕事が決まっていくありがたみを実感しています」と満足そうに語った。
■同一クールで2作品の活躍、さらなる飛躍も誓う
今クールはシーズン6を迎える『家政夫のミタゾノ』(10月10日スタート)でヒロイン・実優を、『あたりのキッチン!』(10月14日スタート)で主人公・清美を演じている。
「『家政夫のミタゾノ』は長く続く人気シリーズ。ドラマのベースは今までと変わらないテイストでありつつ、新しい風を吹かせる役でもあるので、すごくやりがいがあります。主演の松岡昌宏さんをはじめ、伊野尾慧さんたち元々のレギュラーの方々がすごく温かく迎えてくださって、とても現場に入りやすかったです。私が演じる実優ちゃんは、とても感情表現豊かでジェットコースターのような女の子。演じるのはとても楽しかったです」。
一方の『あたりのキッチン!』では、座長として現場に挑む。桜田は「ゲストで来てくださる方には、いつもの自分より少し積極的にコミュニケーションを取ったりということはしていますが、主演だから、座長だからという気負いみたいなものはあまりないですね」と平常心で臨んでいることを明かすと「ご一緒するシーンが多い渡部篤郎さんもとても温かい方。頼りにしながらみなさんで盛り上げていけたらと思っています」と意気込んだ。
「周囲の人に私のイメージを聞くと、儚さやアンニュイさを感じると言われることがあります」と自身のパブリックイメージについて語った桜田。「そういったイメージを想像させるキャラクターはもちろんですが、お笑いも好きなのでテンポのあるコメディとかにも挑戦していきたいです」とさらなる活躍を誓っていた。取材・文/磯部正和
桜田ひより、“後悔”こそ原動力 「小さいころから俳優」高いプロ意識で飛躍 - ORICON NEWS
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