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電気自動車(EV)市場で世界首位を争う中国・比亜迪(BYD)と米Tesla(テスラ)の熱マネジメントシステム(Thermal Management System、TMS)を比較・分析する本連載。前回整理したTMSの全体像を基に、今回は部品点数とコストを推定して両社の違いを明らかにしていく。(日経Automotive編集部)
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冷媒回路を多用し、駆動用バッテリーすらも冷媒で冷却・加熱するBYD。一方のテスラは、クーラント(冷却水)回路主体のシステムを進化させてきた。クーラントの流路を切り替える八方弁「オクトバルブ」に代表されるTMSモジュールの高度な統合を実施する。
本連載「BYD対テスラ、熱マネ三番勝負」では、(1)部品点数、(2)コスト、(3)消費電力――という3つの観点で優劣評価を実施した。なお、今回の比較では、両TMSのそれぞれ3つの熱マネサブシステムが実用上発生する全ての動作モードで同じ熱負荷を処理できる容量を持つものとし、相対比較ができる評価状態を定義した。この「正規化」した両社のTMSで筆者が評価した。
部品点数はほぼ互角
早速だが、部品点数の比較結果を図1に示す。主要部品の合計数はテスラが40点で、BYDが42点だった。BYDの方が5%多いが、それほど大きな差ではない。
しかし、内訳には大きな違いがある。BYDとテスラのTMS構成図よりリストアップした構成部品やその他配管類、ハーネス、アクティブグリルシャッターといった必要部品を加えた一覧表を見てほしい(表1)。
冷媒回路の部品数はBYDが28点と、19点のテスラよりも多い。一方で、クーラント回路の部品数は、BYDが6点でテスラは13点だった。
冷媒を重視するBYDの姿勢は、TMSのコストにどのような影響を与えるのか。
テスラより14%も高い理由、BYDの熱マネとコスト比較 - ITpro
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