
近年の海水温の上昇などに伴い三陸沿岸のサケの漁獲量が激減している中、岩手県水産技術センターは、水温が高い時期に戻ってきたサケの子どもは高水温に耐える能力が高い傾向にあるとする研究結果をまとめ「将来、再びサケを増やしていく手がかりになるのではないか」としています。
県内の秋サケは深刻な不漁が続いていますが、春に放流されたサケの稚魚が近年の海水温の上昇でえさが食べられずに衰弱し、多くが死んでしまっていると指摘されています。
22日、研究機関や水産関係者などの研究報告会で、県水産技術センターの研究グループは海水温の高い秋に戻ってきたサケのほうが冬に戻ってきたサケより高い水温に耐えられ、その性質は子どもにも遺伝するのではないかという仮説をたて、検証を行った結果を発表しました。
それによりますと、稚魚を26.5度という高い水温の水槽に入れ耐えられる時間を調べ、野田村の川に9月下旬に遡上してきたサケの子どもは7割が60分以上耐えたのに対し、10月下旬や11月下旬に遡上したサケの子どもで60分以上耐えた稚魚はほとんどいませんでした。
また、釜石市の川に秋に遡上したオスの精子を凍結保存し、冬に別の川に遡上したメスの卵に受精させた場合も、生まれた稚魚は高い水温に耐えられる傾向がみられたということです。
県水産技術センターの岡部聖専門研究員は「再びサケを増やすための手がかりになるのではないか。岩手でサケがとれないというのはとても大変なことだと感じていて、できることを積み重ねていきたい」と話していました。
サケの高い水温への耐性は遺伝するか検証 県水産技術センター|NHK 岩手県のニュース - nhk.or.jp
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