中堅・中小企業経営者が今読むべき新刊書籍4冊を紹介する。今月は、永谷武久著 『高いから、売れる。』のほか3冊を取り上げる。
価格決定権を手放さない
『高いから、売れる。』
著者:永谷武久/ 出版社:イースト・プレス/ 価格:1760円
レトルトカレーが864円、ローストビーフは1万800円……。そんな高額の価格設定をしながら、全国から注文が舞い込む食肉販売会社がある。近江牛の生産・販売を手がける大吉商店だ。
「最強のビジネスは、自分で値段をつけられること」。同社の4代目、永谷武久社長がこう話す通り、価格決定権を握ることはビジネスを有利に運ぶ上で重要ポイントの1つだ。なぜ、滋賀県高島市にある小さな精肉店にそれが実現できたのか。
永谷社長は先代の父の急逝により、23歳で事業を受け継ぐ。1990年代半ばのことだ。店舗は3店から1店まで縮小。十数人いた従業員も4人だけになった。
家業を何とか存続させようと試行錯誤を重ねた。だが、商品自体に自信はあっても、価値の高い肉を売る相手が地元ではなかなか見つからない。
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書評『高いから、売れる。』〜近江牛老舗の挑戦 - 日経ビジネスオンライン
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