“名機”と呼ばれるカーオーディオユニットがさまざまある。当シリーズではそれらを1つ1つ取り上げ、それぞれの“名機”たるゆえんを解説している。今回は、ケンウッドの人気AV一体型ナビ、『彩速ナビ』をフィーチャーする。
『彩速ナビ』は2011年に初登場! 速さにこだわりストレージにSSDを採用!
ケンウッドの『彩速ナビ』は、2011年に初登場した。ちなみに、当時のハイエンドナビゲーションはほぼすべて、ストレージにはHDDを使用していた。容量が大きいからだ。しかし『彩速ナビ』では敢えてHDDは使わずにSSDを採用した。その理由はズバリ、起動や情報処理が素速いからだ。
それもあり、『彩速ナビ』はその名前のとおりに当初からレスポンスが速いことを持ち味とし、さらにはスマホライクな操作性もいち早く取り入れて、サクサク動くナビとして市場の中で存在感を発揮し続けてきた。
また、音にもこだわりを注入してきた。特にエポックメイキングだったのは2015年モデルだ。この年に登場した『彩速ナビ』の当時のフラッグシップライン『TYPE Z』の2機種は、AV一体型ナビとして初めてハイレゾ音源に対応した。同時に、CDやMP3などの非ハイレゾ音源も含めてすべての音源をより高音質化するケンウッド独自の「K2テクノロジー」も初搭載。音の良いナビとしての認知もこれにて一気に広がった。
ケンウッド・彩速ナビ MDV-M909HDL『彩速ナビ』は、高機能でありながらもリーズナブル!
また『彩速ナビ』は、リーズナブルであることも特長としてきた。使いやすく、かつ高性能でありながらも割安感が高いのだ。
そのあたりについても説明しながら、現行のラインナップを見ていこう。2022年モデルは3ライン構成となっている。まずはトップエンドラインとして『TYPE M』が君臨している。同グレードには4機種が顔を揃える。9V型フローティングモデル、9V型インダッシュモデル。そして7V型200mmモデルと7V型180mmモデル、この4つがある。
なお、この4機種での機能的な差異はない。画面のタイプと大きさが異なるのみだ。どれもハイレゾ音源に対応し、ハイレゾクオリティでワイヤレス転送できるBluetoothコーデックの「LDAC(エルダック)」にも対応している。そしてHDMIの入出力端子を備えているのでスマホのミラーリングが可能で、その映像をリアモニター等へ高画質で出力できる。
さらに、Android端末ではワイヤレスミラーリングも行える。今のところこれが可能であることをうたう市販AV一体型ナビは、他にはない。
そして、ハイレゾ音源への対応力も幅広い。WAVとFLACについては192kHz/24bitにまで対応し、さらにはDSDファイルの再生も可能だ。また、高音質フォーマット「MQA(Master Quality Authenticated)」の再生も行える。
このように『TYPE M』には機能が満載されているものの、価格的には案外手頃だ。オープン価格だが、JVCKENWOOD STOREで購入する場合、9V型のフローティングモデルが税込15万1800円、7V型の2機種は同9万9800円だ。
ケンウッド・彩速ナビ MDV-S809Fスタンダードグレードの『TYPE S』も機能充実!
『TYPE M』に続いては、『TYPE S』が控える。これも4機種展開だ。内訳は以下のとおり。8V型のフローティングモデル、8V型のインダッシュモデル。そして7V型200mmモデルと7V型180mmモデルとが用意されている。
興味深いのは、大画面モデルが8V型であることだ。その理由は明らかにされていないが、2つの理由が考えられる。1つは、9V型では大きすぎるというニーズに応えるため(より幅広い車種に対応するため)、そしてもう1つはコストカットのためだろう。『TYPE S』はスタンダードグレードであるがゆえに価格的にこなれている方が良い。その観点で言うと9V型よりも8V型の方がアドバンテージを発揮する。
なお、機能的には『TYPE M』に肉迫している。DSDとLDACに非対応であること、プロモードEQが使えないこと以外は『TYPE M』とほぼ同等の機能を有している。
そしてもう1つ、ベーシックラインである『TYPE L』が存在する。なおこれについては2機種展開だ(7V型200mmモデルと7V型180mmモデル)。で、『TYPE L』はハイレゾ音源に非対応で地デジがワンセグとなるが、Bluetoothには対応している。
コスパに優れたAV一体型ナビに興味があれば、『彩速ナビ』を要チェック。
“ハイレゾ音源”への対応力が高いハイスピードナビ ケンウッド『彩速ナビ』[カーオーディオ 名機の系譜]第6回 - レスポンス
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