高いといっても地価じゃなくて標高が高いところです(地価も高いけど)
世田谷区の標高が高いところには水道局の施設がある。
給水所や浄水場である。
高低差を利用して水を送っているのだ。
今回の記事で引用した地図はカシミール3D を使用しています。
※2006年12月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
砧・田園調布・駒沢に共通するものは
東京南西部を拡大すると23区内でいちばん高いのは世田谷区砧付近であることがわかった。そのほか、田園調布のあたりもぽこっと台地になっている。駒沢のあたりも台地が続いている。
標高地図ではなくて普通の地図でそれらの場所を見ると共通の建物があることに気付いた。
水道設備である。
給水所は高い土地を選んで作られていたのだ。マンションの屋上に給水タンクがあるのと同じである。高低差を使って水を供給していたのだ。
なるほど。東京って思ったよりも考えられて作られてるんじゃん! 水道局ってそんな帝都物語みたいなことしてたのか。
僕はかなり興奮しているのだが、これを読んでいるみなさんもさぞかし興奮しているだろう。さぞがし興奮しているだろう。不安だから2回書いてみた。
こうなったら実際に訪れなければならないだろう。出所のわからない義務感に駆られた僕は家を飛び出した(実際は歩いて家を出た)。
玉川浄水場付近
田園調布は土地の価格だけではなく、標高も高い。標高地図によると標高約45m。この玉川浄水場は田園調布に隣接した世田谷区であるが、まあ、要はこのへんは高いのだ。
わざわざ電車に乗って行ったわりには恐ろしく地味な写真である。いや、45メートルだ。45メートルがいかにすごいかというのは、ふだん僕が働いているオフィスが31メートルしかないということでおわかりいただけると思う。
ニフティがある大森ベルポートというビルは標高3メートルという低地に建っているため、ビル7階でも田園調布より低いのだ。まじかよ! せこせこビル建ててもお金持ちがパン食ったりしてる平屋よりも低いのだ。
思わぬところで格差社会を感じつつ、次の給水所に行こう。
駒沢
次は駒沢給水所付近。地図によると47メートルだがGPSの高度計は48メートルを表示していた。ご祝儀みたいなものだろうか(適当なこと言い始めた)。
坂道を意識して歩いていると給水所に行く道は全て上り坂である。急な坂がないので気付きにくいが高台にあることがわかる。
給水所付近でやさぐれた駅員を見た。近くに駅はないのに。駅の仕事が嫌になって給水所を見に来たのだろうか。
23区最高峰 砧
そしてついに23区最高峰の世田谷区砧である。ここには大蔵給水所という給水所がある。
祖師谷大蔵の駅から坂を登ると給水所の建物が見えてきた。都内でもっとも高い場所に給水所の水槽がそびえているなんて何人の人が知ってるだろう。
空気が薄いわけはないのだが、すれ違った子供が「下り坂、まだぁ」と父親に聞いていた。やっぱりここは高いのだ。この企画、やっぱ微妙かも…と不安になっていたころなので嬉しかった。そうだ、やっぱりここは都内最高峰だ。そして高いところには給水所があるのだ。
ウルトラマンと給水所
都内最高峰である世田谷区砧はウルトラマンの円谷プロダクションがあった場所だそうだ。ウルトラマンの高さと給水所の高さが同じだったりして! 給水所の山を見て巨大化のアイデアを思いついたとか?! と思ったけど給水所のほうが高かった(ウルトラマン40メートル、大蔵給水所 55メートル)。
うっかり深読みしすぎてしまった。しかしウルトラマンより高いなんて都内最高峰はなかなかの高さである。すげえ。
2022.10.15追記
という16年前の記事でした。16年のあいだに土地が低くなっていることもなく現在も高台に水道施設があることには変わりありません。
この記事では世田谷の3か所だけですが、もっと地図を北に広げてみると別の高台に水道施設が見つかります。
明大前の和田堀給水所です。
なんでこんなところにタンクがあるんだろうと思ったらしっかり高台でした。
高さを利用して水道を流すのは「自然流下式」と呼び、ポンプの電気代がいらない、停電でも関係がない、水圧が安定しているなどのメリットが書いてありました。検索しただけですが。
世田谷区の高いところには水道局の建物がある(デジタルリマスター) - デイリーポータルZ
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