サッカーのＦＩＦＡワールドカップ（Ｗ杯）カタール大会で１日（日本時間２日未明）、グループリーグＥ組の日本代表はスペイン代表に２－１で逆転勝ち。グループ首位となり２大会連続で決勝トーナメントに進出した。元日本代表主将の井原正巳さんが勝因を解説する。
日本のゲームプランとしては、先発メンバーや「５―４―１」のシステムを見ても、スペインの攻撃を粘り強く耐えることが狙いだったと思う。それだけに序盤の失点でプランが崩れてしまうのではないかと心配した。
ただ、３０分過ぎから日本らしさが出始めた。ボールは握られながらもいい守備をして、チャンスを作っていた。前半を１失点に抑え、後半から交代のカードを切ったことで、ドイツ戦のように攻撃的に出て行くぞという雰囲気があった。
得点のカギは、高い位置でボールを奪い返し、攻め込めるかどうかだった。１点目は相手ＧＫまでプレスをかけ、クリアを伊東が競り合い、こぼれ球を堂安が拾ったことがきっかけだった。堂安のシュートも素晴らしかった。２点目は、三笘からボールが来ることを信じ、田中がゴール前まで走ったことが結果につながった。ボランチはなかなかあそこまで行けないもの。積極的な姿勢が生んだ得点だった。
前半はＤＦラインが下がり過ぎていた。取ったボールを再び奪い返され、一方的に攻撃を受けるしかない状況だった。後半は相手選手の足が止まってきたのもあるが、日本は選手交代もあって攻守にアグレッシブになり、早い時間帯に追いつき、勝ち越せたことが大きかった。
強豪国がそろうＥ組を１位で通過できるとは、誰も想像していなかったと思う。快挙を成し遂げた。ただ、目標はここではないはず。監督も選手も１６強の壁を破ることに焦点を当てていると思う。２大会連続の決勝トーナメント進出も素晴らしいことだが、新たな歴史を作ってほしい。（Ｊ１柏ヘッドコーチ、元日本代表主将）
高い位置でボール奪い、攻め込んでの連続ゴール…後半の積極性が生んだスペイン戦の勝利 - 読売新聞オンライン
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