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Tuesday, January 17, 2023

バルサ、世界で10番目に市場価値高いガビ大活躍でスペイン・スーパー杯クラシコに快勝 - スペイン発サッカー紀行 - 海外 ... - ニッカンスポーツ

251回目の公式戦のクラシコは、シャビ監督率いるバルセロナに軍配が上がった。

今回の舞台はサウジアラビアのリヤドで、スペインリーグ王者のレアル・マドリード、準優勝のバルセロナ、国王杯チャンピオンのベティス、準優勝バレンシアの間で争われたスペイン・スーパーカップだった。準決勝でRマドリードがバレンシアに、バルセロナがベティスにそれぞれ勝利し、決勝で今季2回目のクラシコが実現することとなった。

同大会のサウジアラビア開催は、昨年11月に現役を引退した元バルセロナDFピケがオーナーを務める投資会社コスモスが仲介し、20年からの6年契約が決定したもの。その間、サウジアラビアサッカー連盟からスペインサッカー連盟に1大会ごとに支払われる4000万ユーロ(約56億円)で、参加クラブへの賞金が支払われている。

しかしその金額には全く平等性がなく、今大会の参加ボーナスはバルセロナとRマドリードが280万ユーロ(約3億9200万円)、バレンシアが170万ユーロ(約2億3800万円)、ベティスが75万ユーロ(約1億500万円)と大きな開きがあった。一方、決勝に進出したクラブには100万ユーロ(約1億4000万円)、優勝したクラブに100万ユーロ(約1億4000万円)という賞金は各クラブとも同じである。

そんな状況の中、バルセロナはすでに欧州チャンピオンズリーグ(CL)を1次リーグで敗退していること、シャビ監督にとってバルセロナでの初タイトルがかかっていることなどにより、この大会にかけるモチベーションは特に高いものがあった。

いざ試合が始まると、バルセロナが完璧な内容で勝利した。シャビ監督はシステムをいつもの4-3-3から4-2-3-1に変更し、戦術、技術、フィジカルなど、あらゆる面でRマドリードを凌駕した。前線からの激しいプレスで相手守備陣のミスを次々と誘い、ガビ、レバンドフスキ、ペドリが見事な連携で得点を重ねていく。

そして欧州5大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ、フランス)で唯一となる一桁台(6失点)の堅固な守備で、バロンドール受賞者のベンゼマ、ビニシウスなどの攻撃陣相手にほとんどチャンスを作らせなかった。終始ゲームをコントロールして3-1の圧勝を飾り、昨年10月のスペインリーグでの敗北のリベンジを果たすことに成功した。

今回の勝利により、バルセロナのクラシコ通算成績は251試合98勝52分け101敗となった。公式戦の決勝でRマドリードと顔を合わせたのは通算16回目だったが、永遠のライバルを破ってのタイトル獲得は、11年のスペイン・スーパーカップ以来、4大会ぶり6回目。また国内外のタイトル数においては97個目の獲得となり、98個のRマドリードとの差を縮める結果にもなった。

バルセロナが圧勝した中、一際輝きを放っていたのは左サイドハーフでプレーしたスペイン代表MFガビだった。1得点2アシストと全得点に絡む大活躍を見せ、決勝のMVPにも輝いた。

バルセロナの下部組織で育ったガビは、21年8月に17歳になったばかりでトップチームデビューを果たすと、同年10月にはスペイン代表デビューも達成。数々の最年少記録を塗り替え、昨年10月には若手選手のバロンドールであるコパ・トロフィーや欧州最高の若手選手に贈られるゴールデンボーイ賞を受賞。先のW杯では4試合全てに主力選手として先発出場し、チームが決勝トーナメントで敗れ多くの批判を浴びた中でも評価された、数少ない選手の1人となった。

幼少期から輝きを放つその才能に惚れ込んだバルセロナが15年夏、Rマドリードやアトレチコ・マドリード、ビリャ・レアル、セビリアも狙う中、11歳のガビを1万ユーロ(約140万円)でベティスの下部組織から獲得した。普通に考えれば、その年齢の選手に対してこの投資額は非常に大きなものであろう。しかし、それから7年半後の今、ドイツの移籍情報サイト「トランスファー・マーケット」による市場価値が9000万ユーロ(約126億円)に見積もられていることは、当時のバルセロナの決断とその後の育成が正しかったことの証となっている。

この市場価値はチュアメニ(Rマドリード)、ケイン(トットナム)と並び世界で10番目、MFの中では7番目と非常に高額である。その上にはエムバペ(パリサンジェルマン)、ハーランド(マンチェスター・シティー)、ビニシウス(Rマドリード)、ベリンガム(ドルトムント)、フォーデン(マンチェスター・シティ-)、チームメイトのペドリ、ムシアラ(バイエルン・ミュンヘン)、サカ(アーセナル)、バルベルデ(Rマドリード)が名を連ねているだけだ。

シャビ監督曰く「限界知らず」の青年はまだ18歳。日々進化し続けており、近年低迷が続いたバルセロナだけでなく、10年のW杯初優勝以降、3大会連続で国民の期待を大きく裏切っている代表チームにおいても、今後間違いなくさらに大きな存在となるだろう。【高橋智行通信員】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「スペイン発サッカー紀行」)

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