聞き手・山下裕志
日本一売れるビール「スーパードライ」を看板にするアサヒビールが、「酔わない」提案をしています。「とりあえず生」「もう一杯」で売り上げを伸ばしてきたビール会社がなぜ? 提唱している「スマートドリンキング」(スマドリ)という飲み方について、松山一雄社長に聞きました。
――スマドリは多様性を認め合う飲み方だと聞きました。
日本では、酒を飲めるかどうかが人間関係の見えない壁になっています。飲む人は飲まない人を誘いづらく、支払いが割り勘だと気まずい。飲まない人にも色々な思いが渦巻きます。酒を飲んでも飲まなくても、一緒に楽しく過ごせるよう飲み物や飲み方の選択肢を広げたい。そう考え、2020年12月にスマドリを宣言しました。
その一環として、度数0・5%の微アルコールで、ビール風味の「ビアリー」を売り出しました。度数3・5%以下の飲料を売りたいだけのメッセージとして伝わってしまったのが反省なのですが、酒はもちろん、ノンアルでも清涼飲料でも、その場を楽しめればいいのです。また、25年までにアルコール度数3・5%以下とノンアルコール商品の販売量を、今の1割未満から2割以上へと引き上げる目標を掲げています。
――なぜ、そんな考えに。
ビジネスとしての意味と、社会的な背景の二つがあります。
ビジネスの観点でみると、日…
度数高い酒、積極的には出しません アサヒビール社長の酔わない提案:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル
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