[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリア統計局が26日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.0%上昇と4月の3.6%上昇から加速し、半年ぶりの高い伸びとなった。
市場予想(3.8%上昇)も上回った。
コアインフレ率の指標として注目されるCPIの中銀トリム平均値も前年比4.4%上昇し、前月の4.1%上昇から加速。4カ月連続の加速となった。
これを受け、市場が予想する11月までの25ベーシスポイント(bp)利上げの確率は0%から60%に上昇。年内の利下げは織り込まれておらず、利下げ開始は来年後半以降と予想されている。
豪ドルは0.5%高の1豪ドル=0.6684米ドル。3年債先物は18ティック低下し95.93と、3週間ぶりの安値。
VanEckの投資・資本市場担当責任者、ラッセル・チェスラー氏は「オーストラリアは利上げを実施する数少ない先進国の1つになる可能性がある」と述べた。
UBSとドイツ銀行は8月の利上げを予想。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)は利下げ開始時期の予想を11月から来年5月に変更した。
UBSのチーフエコノミスト、ジョージ・サレノー氏は第2・四半期のCPIが前期比1.1%上昇となり、豪準備銀行(RBA)の予測を上回るとの見通しを示したうえで、8月の利上げ予想は微妙な判断だが、11月の再利上げのリスクもあると述べた
RBAには7月末に発表となる第2・四半期のCPI統計を待って次の金融政策を決定する時間的な余裕がある。ただ、4月と5月のCPIは強い内容となっており、8月の利上げを求める圧力が強まる可能性がある。
5月のCPIは前月比では0.1%下落したが、2023年5月は同0.4%下落していた。
変動の大きい品目と旅行を除いたCPI上昇率は前年比4.0%で、前月の4.1%から低下した。
RBAは、今後の金融政策について何も決定しておらず何も排除していないとしているが、政府の生活費支援策を受けて第3・四半期以降、総合インフレ率が低下するとの期待も浮上している。生活費支援策には電気料金や家賃の補助が含まれる。
5月のCPIの内訳は、電気料金が前年比6.5%上昇、家賃が7.4%上昇、理髪料が5.5%上昇、外食が4.2%上昇、持ち帰り用の料理が4.3%上昇。
ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「われわれはインフレ抑制には追加利上げではなく時間が必要だと見解を変えていないが、その確信がやや揺らぎつつある。8月の利上げの可能性は排除できない」と述べた。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab
豪5月CPIは前年比+4.0%、半年ぶり高い伸び 利上げ観測強まる - ロイター (Reuters Japan)
Read More
No comments:
Post a Comment