人口の高齢化とともに増えている高血圧。患者数は4300万人と推定され、日本人のおよそ3人に1人が高血圧という状況だ。ただ、一口に高血圧といってもいろいろなタイプがあり、その原因や効果的な対処法も少しずつ異なる。本特集では、高血圧の代表的な5つのタイプを詳しく解説。それぞれに有効なセルフケアや治療薬の情報もお届けする。
『血圧のお悩み タイプ別解消法』 特集の内容
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第1回
「上の血圧だけ高い」「下だけ高い」…高血圧はタイプごとに対処法が違う!←今回
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第2回
間違いだらけの高血圧対策 あなたが実践すべきセルフケアは?
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第3回
血圧がなかなか下がらない…そんなときに知っておきたいこと
高血圧には「個別性がある」 あなたのタイプは?
放置すれば、脳卒中、心筋梗塞や心不全、慢性腎臓病といった命に関わる病気のリスクを高める高血圧。日本の高血圧患者は4300万人と推定され、「国民病」といわれて久しい。厚生労働省の国民健康・栄養調査では、男性は50歳、女性は60歳を超えると半数以上が高血圧とされ、70代以上では男女共に約70%と、加齢とともにその割合は増えていく(図1)。
図1 日本人の高血圧の有病率

男性は50歳、女性は60歳を超えると半数以上が高血圧に該当。70代以上では男女共に約7割に達する。(出典:2019年国民健康・栄養調査)
ただ、一口に高血圧といっても、実際にはいろいろなタイプがある。読者の皆さんの悩みも「自分は上(あるいは下)の血圧だけが高い」「健康診断では血圧は正常なのに、朝に自宅で測ると高めに出る」など、それぞれ違うだろう。
高血圧治療のエキスパートである自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授の苅尾七臣氏はこう話す。
「医療機関や家庭で測定した血圧は、ある一時点の数値にすぎません。血圧は24時間変動していて、人それぞれに個別性があります。その個々の血圧変動の特性に目を向けると、高血圧のタイプが分かってきます。高血圧対策は、ご自身のタイプに合ったセルフケアや治療を行うことが重要です」
詳しくは後述するが、代表的な高血圧のタイプには以下がある。皆さんに当てはまるのはどれだろうか。
- 上の血圧が高い
- 下の血圧が高い
- 上の血圧も下の血圧も高い
- 昼間の仕事中に血圧が高い(昼間高血圧/職場高血圧)
- 朝の血圧が高い(早朝高血圧)
- 就寝中の血圧が高い(夜間高血圧)
- 医療機関で測ると高いのに、家庭で測ると正常(白衣高血圧)

(写真:123RF)
※就寝中に血圧が上がる夜間高血圧は、自分では測定が困難なためこの記事での解説は割愛する。
※上の血圧も下の血圧も高い場合は、「上の血圧が高い」「下の血圧が高い」の両方を参照のこと。
実は、これらのタイプは血圧が上がる要因がそれぞれ異なり、その要因によって有効な対処法や適した薬も少しずつ異なる。「なかなか血圧が下がらない」という人は、もしかしたら、自分に合った対処法を行っていないからかもしれない。
次ページから、それぞれのタイプのメカニズムを解説していこう。
「上の血圧だけ高い」「下だけ高い」…高血圧はタイプごとに対処法が違う! - 日経Gooday
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